考古学者とは何をする人たちか?

考古学者とは何をする人たちか?

考古学者は、過去の人間のあらゆる活動から残され「物質的遺構(形のある跡)」を研究します。

過去の人間の活動の証拠には、以下のようにさまざまな形態があります。

  • 骨格遺体: ヒトの骨など。
  • 古代の建造物の跡: 住居、部屋、ピラミッド、都市、壁など。
  • 土器(セラミックス): 壺、杯、皿、香炉などの破片。
  • 自然遺物(有機物の遺体): 動物の骨、植物の遺体(種子や花粉)、貝殻など。

現在、考古学は学際的な分野となっています。

これは、出土した資料からより多くの情報を引き出すために、多くの異なる専門分野の研究者が協力し合っていることを意味します。

考古学者は、これらの集まったデータを活用して歴史の断片を繋ぎ合わせ、テオティワカンのような古代文明がいかにして形成されたのかという仮説を立てていきます。

幸いなことに、テオティワカン遺跡では多くの構造物が使用・放棄された後も地中に埋まったまま残されていました。そのため、約2000年という長い歳月が経過しているにもかかわらず、過去の活動の痕跡が良好に保存されています。

私たちは、この古代都市を誰が築き、誰が住んでいたのかを探索し、明らかにするために、これらのエリアの発掘調査に取り組んでいます。


なぜテオティワカン遺跡を研究することが重要なのか?

テオティワカンはユネスコの世界遺産であり、新世界(南北アメリカ大陸)における最大級の都市国家の一つとして、メキシコの国家的アイデンティティや文化遺産、さらには世界的な関心に対しても極めて重要な貢献を果たしています。

研究が重要視される主な理由は以下の通りです:

  • 国家形成と都市化のモデル: テオティワカンは、初期の国家形成や都市計画の優れたモデルです。2世紀以上にわたる調査により、古典期メソアメリカにおいて主要な地位を築いたこの都市の社会、経済、政治、そして宗教システムといった根本的な側面への理解が進んできました。
  • メキシコの誇りの象徴: 今日、この遺跡が持つ壮大な景観は、年間数百万人もの観光客を圧倒し続けています。また、メキシコ人のアイデンティティと誇りの中心であり続けています。
  • 一般社会との対話: 考古学者が、テオティワカンでの生活がいかなるものであったか、そしてどのような要因が都市の放棄につながったのかという調査結果を、一般の人々と共有し、対話していくことは非常に重要です。
Panoramic view of Front E, 2016

マヤなどのように解読された文字体系を持つ文化とは異なり、テオティワカンにおいては、考古学的な発掘調査が過去を復元するためのほぼ唯一の方法となっています。

現時点では、テオティワカンの絵文字体系が、彼らが何者であり、何をしていたのかを解読する助けになるかどうかは分かっていません。例えば、南方のマヤ文明ではヒエログリフ(聖刻文字)が発達していたため、考古学者や専門家は、古代の書記たちが記録した王朝の系譜や重要な歴史的事実、さらには儀式の時期や意味に至るまで、詳細に読み解くことができます。

しかし残念ながら、テオティワカンの考古学的記録は完璧な状態で残されているわけではありません。

近年の数々の調査により、古代から現代に至るまで、時には大規模なものを含む数多くの盗掘が行われてきたことが明らかになっています。テオティワカン国家の崩壊後も、アステカを含む他の集団が儀礼中心部を囲むエリアに居住し、これらの集落は植民地時代、さらには現代に至るまで占有され続けてきました。今日でも、自分の家族がテオティワカンの儀礼中心部へ畑を耕しに行っていたことを覚えている人々がいます。こうした長期にわたる占有の中で、建築資材として遺跡の一部が略奪されたり、農地を作るために構造物が平らにならされたり、遺物を目当てに多くのマウンド(土壇)が盗掘されたりしてきました。

では、「盗掘」は考古学者にどのような影響を与えるのでしょうか?

遺物の盗掘は、考古学者の仕事を非常に困難なものにします。遺物そのものだけでなく、その「文脈(コンテキスト)」までもが失われてしまうからです。

  • なぜ、そこに置かれたのか?
  • それらの品々にはどのような意義があるのか?
  • 何のために使われていたのか?

これらは考古学者が解き明かそうとしている問いのほんの一部ですが、その答えを導き出すには、遺物が「どこで、どのような状況で見つかったか」という出土状況(provenience)の情報が不可欠なのです。

したがって、物質文化を通じて祖先たちの物語を伝え、私たちの遺産を守るために、考古学遺跡を保護し大切にする必要性を広く伝えることは、当プロジェクトの主要な目的の一つとなっています。