古代DNAの分析家たち

古代DNAの分析家たち

コートニー・ホフマン Courtney Hofman (2017, 2022, 2023)

Dr. Courtney Hofman(コートニー・ホフマン博士)

コートニー・ホフマン(Courtney Hofman)は、オクラホマ大学の人類学部助教であり、同大学の「分子人類学およびマイクロバイオーム研究室(LMAMR)」の共同ディレクターを務めています。

ホフマン博士は、ゲノミクス(遺伝情報解析)、古代DNA、プロテオミクス(タンパク質解析)、そして考古学といった、異なる学問領域や手法を融合させた研究を行っています。こうした多角的なアプローチを通じて、人類と環境の相互作用を、以下の全く異なる「2つのスケール」から探求しています。

1. 野生動物と環境の歴史(マクロな視点)

一つ目は、過去数千年にわたる「人間と野生動物の相互作用」と、それが「環境の変化」に与えた影響についての調査です。この研究から得られた知見は、現代の環境保護活動における意思決定を支える重要な情報として活用されています。

2. 体内細菌叢の進化(ミクロな視点)

二つ目は、人間の「マイクロバイオーム(体内細菌叢)」の進化に関する研究です。考古学的な文脈で見つかった「歯石」や「古糞(化石化した糞便)」を分析することで、人類の体内に住む細菌が時代とともにどのように変化してきたのかを解き明かしています。

スターリング・ライト Sterling Wright (2018)

スターリング・ライト(Sterling Wright)は、2018年にテキサス大学オースティン校で学士号を取得し、現在はオクラホマ大学の修士課程に在籍しています。

彼は同大学の「分子人類学およびマイクロバイオーム研究室(LMAMR)」で研究に従事しており、その研究の多くは「歯石」と「古代DNA」に焦点を当てたものです。現在は修士論文に向けて、テオティワカンから出土した歯石におけるDNAの保存状態について研究を進めています。


彼の研究のポイント:なぜ「歯石」なのか?

考古学において、歯石は古代の情報を保存する「タイムカプセル」のような役割を果たします。スターリングは以下の点に注目して研究を行っています。

テオティワカンでの検証: メキシコのテオティワカンのような環境下で、歯石の中にどれほど良好な状態でDNAが残っているのか(保存性)を検証することは、当時の人々の健康状態や食生活、さらには遺伝的なルーツを解明するための重要な基礎研究となります。

DNAの宝庫: 歯石の中には、その人物自身のDNAだけでなく、口内にいた細菌や食べた植物・動物のDNAが封じ込められています。