PPCC(プラザ・オブ・ザ・コラム・プロジェクト)に、ソチカリ校の生徒たちを迎えました

PPCC(プラザ・オブ・ザ・コラム・プロジェクト)に、ソチカリ校の生徒たちを迎えました

著者: Edsel Robles
翻訳: Reina Nishihara
編集: Thania Ibarra、Sol Téllez
写真: Mayté Espinoza

訪問へのドキドキと期待

一週間前、私たちのプロジェクト責任者である杉山 奈和 (Nawa Sugiyama)博士から、プラザ・オブ・ザ・コラム(石柱の広場)に特別な訪問者を迎えることになったと知らされました。

いつも訪ねてくるのは主に研究者たちですが、今回のお客さまは、幼稚園児と高校生のみなさんです。

最初、私たちは少し戸惑いました。
スタッフの中に教育学を専門に学んだ者は一人もいなかったからです。
しかし、これまでさまざまな年齢の家族と接してきた経験から、この挑戦を受け入れる勇気が湧いてきました。

私たちはホストとして、訪れるすべての人に発掘現場での素晴らしい体験をしてほしいと願っています!

準備

まずは考古学チームのメンバー全員でアイデアを出し合い、やってくる子供たちが「考古学」というものを肌で感じられるような、さまざまなアクティビティを考えました。

考古学において最も欠かせないのは、発掘調査と、そこでの大きな発見に基づいた研究です。

そこで、メインのアクティビティとして「ミニ発掘体験」を行うことにしました。
体験をより本格的にするために、私たちはあらかじめ人工的に作った堆積物(たいせきぶつ)の中に、さまざまな資料を埋めて準備を整えました。

  • 埋めたもの: 土器、骨、貝など
  • 安全への配慮: 切り傷などの事故を防ぐため、鋭利な黒曜石(こくようせき)はあえて除外しました。
  • 会場づくり: 石で区切られた3メートル×3メートルの「考古学用グリッド(調査区)」を設置。事故の原因になりそうなものはすべて取り除きました。

土は自分たちの発掘調査で出た「ふるいにかけた後の土」を使用し、現代の工芸品を、まるで実際の考古学的な発見現場(遺構)に見えるように配置しました。用意した土器の破片は、テオティワカンの職人によって作られたもので、本物の遺物とそっくりの見た目をしています。

こうした工夫によって、過去と現在とのつながりが、より現実味を帯びたものになりました。


発掘のあとの楽しみ:小さな研究者たちのメニュー

発掘体験のあとに子どもたちが取り組むアクティビティについても、さまざまなアイデアが出されました。たとえば、発掘現場に隣接する「野外ラボ(分析所)」での活動です。

パズル、物語、図解、お絵描きなど、たくさんのアイデアが提案され、チーム内での投票によって決めることにしました。また、子どもたちの年齢に合わせた好みを把握するために、ご家族にも連絡を取り、事前にリサーチを行いました。

特にお絵描きのアクティビティについては、プロジェクト専属のアーティストであるラミロ・メディナが、テオティワカンの現代の壺をモデルにした2つのプランを用意してくれました。

  • 幼稚園児向けのプラン: 壺の絵に好きな色を塗って楽しむ「ぬりえ」形式。
  • 中高生向けのプラン: いくつかのガイド点(目印)だけが描かれた用紙を使い、それを自分たちでつないで絵を完成させる、少し難易度の高い形式。

いよいよ当日:未来の考古学者たちとの対面

7月14日の月曜日、テオティワカン遺跡の「プラザ・オブ・ザ・コラム(石柱の広場)」で、私たちはついにソチカリ校の生徒たちを迎えました。彼らは、遺跡のすぐ近くにあるサン・フアン・テオティワカンからやってきた子どもたちです。

今回の訪問者は、幼稚園の年中さん(2年生)と、高校3年生の生徒たちです。

私たちの目的は、現在プロジェクトで行っている活動を知ってもらうこと、そして、自分たちのすぐそばにある「スペイン侵攻以前の文化遺産」に親しんでもらうことでした。 遺跡周辺の地域にある学校にこうして働きかけることで、地元の子どもたち、つまり「未来の考古学者」や「地域の次世代を担う人々」が、自分たちの文化遺産に興味を持つきっかけを作りたいと考えています。 そうすることで、彼らは将来、地域全体に眠る考古学的な遺構を守っていくための、心強い協力者になってくれるはずだからです!

交流をより深めるために、生徒たちは小さなグループに分かれました。そして、彼らのために次の3つの「体験コーナー」を用意しました。

  • 遺跡ツアー: 実際に行われている発掘調査の現場を見学
  • 模擬発掘体験: 用意したエリアで発掘に挑戦
  • 野外ラボ活動: 見つけたものを分析するワークショップ

「あの土の山を見てごらん」

最初のアクティビティは、プラザ・オブ・ザ・コラムで現在進められている発掘現場のガイドツアーです。

生徒たちは、地上から見える多くの「土の山(マウンド)」や「盛り上がった場所」が、実は地面の下に埋まっている古代の建物であることが多い、ということを学びました。

たとえばこのエリアでは、表面の土をわずか数センチ取り除くだけで、当時の床や壁が姿を現します。そうすることで、地表の下に隠されていた、かつての建築の姿を垣間見ることができるのです。

発掘のワクワク感!

2番目のコーナーは、「模擬発掘体験」です。
ここでは、発掘したものをただ集めるだけでなく、それが「どのような状態で見つかったか」という記録(遺構の記録)がいかに重要か、そしてその「出土した状況(文脈)」が、発見されたものを読み解く上でどう役立つのかを学んでもらいました。

この体験は、小さなお子さんから高校生まで、みんなの「発見したい!」という純粋な気持ちに火をつけたようです。

高校生たち: さすがはお兄さん・お姉さん。慎重に作業を進め、土の層や出土した状況をじっくり観察しながら、細かな部分まで注意深く取り組んでいました。

子どもたち: 考古学者のタニア・イバラとソル・テレスの指導のもと、元気いっぱいに参加してくれました。

発掘現場でのリアルなやり取りが伝わってくる、非常に興味深いエピソードですね。 専門的な用語や制度についても、一般の読者がスムーズに理解できるよう配慮して訳しました。


よくある「誤解」を解くために

生徒たちが発掘体験をしている間も、考古学者たちとの会話は絶えませんでした。 若者たちからは、出土品の年代測定についての質問や、「現代社会において文化遺産がどのような役割を果たすのか」といった深い問いが次々と投げかけられました。

また、どのグループからもよく出た質問が、「もし家族が遺跡の品を持っていたらどうなるの?」、あるいは「知り合いの土地に遺跡が埋まっていたらどうすればいいの?」というものでした。

それに対し、研究者たちは次のように丁寧に説明しました。

専門家への相談: INAHに連絡することの大切さを伝えました。INAHは、国の遺産を保護し、私たちの過去への理解を深めるための責任を担っている機関だからです。

没収されることはありません: INAH(メキシコ国立人類学歴史研究所)は、人々が正当に所有している遺物を没収することはありませんし、その土地や家を奪うようなリスクもありません。

「見つけた場所」が大切: 自宅や土地で見つかった遺物を、むやみに動かさないことがいかに重要かを話し合いました。なぜなら、その品が「どんな状態で埋まっていたか」という情報(コンテクスト)が失われると、歴史を知るための貴重なデータが消えてしまうからです。

「次は何をするの?」

3番目のアクティビティでは、発掘が終わった後に研究所で行われる「分析作業」を実際に見てもらいました。具体的には、発掘された資料をきれいに洗浄したり、バラバラになった土器の破片をパズルのように組み立てたりする作業です。

実はこのプログラムが、小さなお子さんから高校生まで、すべての年代の生徒たちが最も熱中し、盛り上がった瞬間でした!

動物たちが当時どんな役割をしていたのか、そしてアーティストとの交流まで、プログラムの豊かさが伝わる内容ですね。一文ずつ漏らさず、やさしい日本語に整えました。


動物たちの役割と、アーティストとの共同作業

また、「動物考古学ラボ」では、古代都市テオティワカンにおいて動物たちがいかに重要な役割を果たしていたかを学びました。動物は単なる「食べ物」だったわけではありません。毛皮を提供してくれたり、ペットとして愛されたり、さらには壁画のモデルになったりと、地元の物語や伝説に登場する大切なキャラクターでもあったのです。

最後はラボ・エリアにて、プロジェクトの専属アーティスト兼製図家であるラミロも加わりました。 子どもたちが発掘体験で見つけ出した「現代製のテオティワカン様式の壺」を使って、ラミロは訪問者たちと一緒に作品づくりを行いました。年齢に合わせて、ぬり絵をしたり、線を描き足してデザインを再現したりするアクティビティです。

この活動を通して、ラミロは参加者たちの興味の示し方や、それぞれの才能(適性)をじっくりと観察しました。

中高生に対して: その場ですぐにフィードバックを行い、絵のスキルを向上させるための具体的なコツを伝えました。

小さなお子さんに対して: ラミロはご家族も含めて、「どうすればもっと上手くできるか・才能を伸ばせるのか」というアドバイスを送りました。


若い世代とのつながり

生徒たちには、テオティワカンがいかに偉大な都市であったかを伝えました。
そこには多様な民族が暮らし、いくつもの権力の中枢があり、時代ごとに異なる建築様式が存在していたことなどを説明したのです。こうした話を聞いて、高校生たちはそれぞれ異なる関心を抱いたようでした。たとえば次のような事柄です。

  • 当時、最も価値があった材料は何だったのか?
  • 彼らの「ファッション(流行)」はどのようなものだったのか?
  • 建物の装飾や、建築スタイルのトレンドは?

私たちの感想

今回の活動は、私たちが想像していた以上に、やりがいのある素晴らしいものとなりました。 生徒たちの積極的な参加はもちろん、保護者や先生方が示してくれた心からの関心、そして多岐にわたる質問の数々……。それらすべてが、テオティワカンという都市がいかに深く、今もなお地元の人々の心に響き続けているかを証明してくれました。

同時に、この遺跡にはまだまだ多くの秘密が隠されていることを、私たち自身も再認識しました。いつの日か、それらの秘密が、まだ解決されていない謎を解き明かす鍵となるかもしれません。

私たちは、周辺地域の学校からさらに多くの生徒たちを迎え、この偉大な先ブリストル期(スペイン侵攻以前)の都市、テオティワカンを共に探求し、絆を深めていけることを心から楽しみにしています。


最後に、今回の訪問を調整するにあたり多大なご協力をいただいた、テオティワカン遺跡博物館・教育広報部門のヘスス・トレス氏、ならびにテオティワカン遺跡所長のロヘリオ・リベロ・チョン氏に深く感謝の意を表します。

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